巨人 涙の弔辞「天国でも弟子」

26日に死去した元吉本新喜劇岡八朗さん(本名市岡輝夫=いちおか・てるお=享年67)の葬儀・告別式が28日、兵庫県尼崎市で営まれた。弟子で漫才師のオール巨人(53)は「天国でも弟子として尽くさせてください…」と涙、涙の弔辞。“奥目の八ちゃん”は、亡き妻と長男の待つ次の“舞台”へと旅立った。
 遺影の前に立つだけで、ただ涙があふれてくる。漫才界の最高峰に立つ巨人が、マイクの前で詰まる。沈黙ができるたびに、場内のすすり泣きが大きくなった。
 師匠を思えばこそ、長女で喪主の裕子さんと酒を遠ざける苦労を何度も何度も重ねてきた。
 それだけに「『天国でいっぱい飲んで』といわれる方もいらっしゃいますが、向こうでも、お酒は控えていただきたい」と人生を狂わせ続けた酒を、最後の最後まで許すことはしなかった。
 この日の朝、テレビ番組の海外ロケから帰国したオール阪神(48)は「最後がわれわれの舞台(16日のオール阪神・巨人結成30年記念)でよかった。気力を持たせてくれたんかな…」とポツリ。
 さらに「『さすが、八ちゃんの弟子や』と思ってもらえるよう、僕らが頑張っていきたい」と続けると、こらえきれずに涙をぬぐった。
 棺には半生をつづった著書「只今、ご紹介にあずかりました岡八郎でございます」とお気に入りのゴルフクラブ、お菓子などが入れられた。
 式には、漫才師の喜味こいし、新喜劇出身のタレント・藤井隆、新喜劇座長の内場勝則ら約350人が参列。式場の外では、炎天下にもかかわらずファン約300人が殺到。出棺の際はファンの「八ちゃん、ありがとう」という声援と拍手で送られていった。(デイリースポーツ)