復活の『アストロ球団』

アストロ球団』とは…

1972年から1976年にかけて、4年に渡り「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて人気連載されていた、伝説の超人格闘野球マンガ。日本が誇る不世出の名選手である故・沢村栄治の出征先、フィリピンで遺志を継いだという謎の人物・シュウロによって集められた、体のどこかにボール型のアザを持つ昭和29年9月9日午後9時9分9秒生まれの9人の超人たちが、打倒巨人、打倒米大リーグを掲げ、世界最強の野球チームを結成する物語。

だが本作品は、登場人物の成長を描く従来の野球マンガとは大きく質を異にする。まず挙げられる理由に、野球という“スポーツ”の世界を描いているにもかかわらず、試合中に切腹して果てる者や老衰して再起不能になる廃人が続出すること。あらかじめひびを入れておいたバット(!)でボールを打ち返し、その衝撃で砕けたバットの破片で相手の守備をかく乱させるという「ジャコビニ流星打法」をはじめ、魔球開発のため素手でドリルを握って掌に溝を刻み込んだり、「殺人L字ボール」「ビーンボール魔球」などといった、文字通り危険極まりない超人・殺人技が何の説明もなく登場するため、選手は皆、瀕死の重傷を負うことになる。またそれらの必殺技が全編に渡り繰り広げられるため、本編はコミックス全20巻の長編作品にもかかわらず、作中で描かれる試合数はわずかに3試合という凄まじさ。最長記録となった対ビクトリー戦は、特訓も含めれば2年の歳月を費やしていることになる。だがその異様なテンションと勢いある作風は、「少年ジャンプ」誌の発行部数を大幅に伸ばすだけにとどまらず、盲目の美少年キャラを登場させるなどして「『ジャンプ』に女性ファンを連れてきた」とも言われた。

物語は最後まで9人の超人が揃わぬまま試合を終えるが、「一試合完全燃焼」を信条とする破天荒な試合ぶりが、球界のドンこと川上哲治をして「20年早すぎた」と言わしめたため「アストロ球団」は球界から追放。ラストにはマサイ族と戦うためアフリカへ発つという前代未聞の大団円を用意。作中、スポーツの常識を逸脱した、あまりにも過激な内容も相まって、その伝説的な幕切れは多くの読者にトラウマを与え、長らく絶版状況が続き、入手困難といわれていた。1999年、全5巻の復刻版(太田出版)の発売と共に、マニアの間で人気は再燃。その破格のスケールの大きさには再評価の声が高い。

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原作:遠崎史朗 作画:中島徳博 出版:太田出版

http://www.tv-asahi.co.jp/astro/
↑エキストラ募集中との事!!!
(」゜ワ゜)」観てぇぇぇ!!!
地獄甲子園の前身と言えば角が立つか?

【J・シュウロ】ボールのアザを持つ9人のアストロ超人を探そうと東奔西走する「アストロ球団」オーナー兼総監督。独身のフィリピン人。日本の敗戦ムードが色濃く漂う昭和19年秋、フィリピン南部にあるレイテ島へ出征していた故・沢村栄治から野球の楽しさを教わった現地の少年時代に、超人による世界最強の新生球団誕生を夢見て玉砕した沢村の遺志を受け継ぐ。京王プラザホテル15階、1526号室を定宿にし、売りに出されていた東映フライヤーズを買い取り、自家用ヘリや自家用ジェットやコンコルドまでも所有し、新宿副都心に最新鋭の施設を整えた世界最大のドーム球場「アストロ球場」を建設するなど、その豪快過ぎる羽振りの良さは某IT企業も真っ青の金満家でもある。これらの資金は、フィリピンの真珠王となり、世界各国に5つの銀行を所有するようになった彼が、銀行をひとつ潰して投じたもの。新聞社に電話をかけて「アストロ球団」の超人プレイを世間が注目するようマスコミを煽ったり、ドームいっぱいの観衆の前にスポットライトを浴びて一人登場し、トークパフォーマンスをするなど、頭脳プレイとスタンドプレイのどちらも得意。アストロナインからは「大将」の呼び名で慕われている。だが謎の老人に、金に任せた行動を批判されて以来、球一に指揮を託し突如姿を消す。最終的には戻ってくるが、「アストロ球団」が球界追放されたため、今度は新天地を求めナインと共にアフリカへと旅立つ。