「盗撮非公表」に市民から批判、神奈川県警は「妥当」

神奈川県警の警察官5人による盗撮行為が相次ぎ発覚した問題で、県警が処分を公表しなかったことなどに対し、市民からは500件を超える批判や疑問の声が県警に寄せられている。
 県警は「警察庁の指針に従ったもので、隠ぺいではない」と反論しているが、両者の感覚の隔たりは大きい。
 問題が発覚した6月23日から今月5日までに県警に届いた電話やメールは541件。ほとんどが「退職金を返させろ」「なぜ身内の犯罪は隠すのか」といった批判的な内容だという。駅で女子高生を盗撮しようとして鉄道警察隊に取り押さえられたものの、画像がないとして立件しなかった中原署巡査長のケースについて、県警幹部の中にも「犯罪は成立しており、送検して検察の判断に委ねるべきだった」という声がある。
 情報公開に詳しい千葉大の新藤宗幸教授(行政学)は「警察官の社会的立場を考えれば、懲戒処分は公表するのが普通の感覚。透明性確保が市民の信頼につながるのに、これでは隠ぺい体質と思われても仕方がない」と指摘する。
 こうした批判に対し、松本治男・県警警務部長は「処分は妥当。いずれも素直に認めており、悪質性は低く、社会的影響もない」と反論する。県警が非公表の根拠にしたのは、警察庁の2つの指針。「懲戒処分の指針」では、盗撮は停職か減給と規定。「懲戒処分の発表の指針」では、職務上の行為での懲戒処分はすべて公表するものの、私生活上の行為は停職以上を公表すると定めている。
 県警は今回、5人の警察官を減給かそれ以下とし、公表しなかった。停職(=公表)か減給(=非公表)かは、県警の裁量に委ねられているのが実情だ。
 一方、大阪府警は4月、女性のスカート内を盗撮しようとした警部補を府迷惑防止条例違反容疑で書類送検し、減給処分としたことを公表した。府警監察室は「府民の信頼確保のため、公表が適当と判断した」と説明。同室の桃井次雄監察官は個人的見解と断ったうえで、「後で発覚するより、先に公表した方が組織のダメージは少ない。処分決定の裁量権は府警にあり、指針はあくまで参考」と語る。
 逮捕されたケースで単純比較はできないが、山口県警は昨年7月、スカート内を盗撮した巡査部長を停職処分にして公表した。
 ◆県教委など、処分は9割以上で公表◆
 読売新聞が47都道府県と14政令市の教育委員会を対象に懲戒処分について調べたところ、9割以上で懲戒処分を原則公表していることが判明した。
 都道府県教委では、47教委のうち44教委が、政令市教委では14市教委すべてが、「懲戒処分は原則として公表」と回答。「公私の区別なく、懲戒処分は即日公表」のケースが多かった。青森県教委は6月から「教職員の非行抑止を期待して」懲戒処分の全面公表に踏み切り、神奈川県教委も「再発防止などの観点から」全面公表している。(読売新聞)

警察官の中にも良い人と悪い人はいるだろう。いても不思議じゃないし、いないハズもない…でもね、
「処分は妥当。いずれも素直に認めており、悪質性は低く、社会的影響もない」とは…僕が警務部長だったら黙秘。