或日の備忘log

年末の印刷工程の問題より、今月の出張は2泊3日
の短期決戦と相成った。
無論実際には1泊3日であったが(その1泊も午前4時就寝)。

今回の収穫〜行きの空港にて、
梁石日氏のフォト&エッセイ「魂の流れゆく果て」を購読。
平凡社「月刊百科」に連載された「追憶への旅」を再編した内容。
早くから梁石日の著作は気になっていたが、時期を逸したまま、
そうしている間にあの「血と骨」が出てしまい
それが余計に氏の作品から遠ざかる要因になってしまった。

そういう人、多いのでは?

自分の場合、読書の対象範囲が異常に狭く、
非常に偏っている。
気になる作家が心に宿った場合、
その著作を連続して読まなければ気が済まない為に
タイミングを見計らいすぎているうちに
熱が冷めてしまったり、
ベストセラーが出て「今更…」となってしまったり。

宮部みゆき氏など、その最たる例。

あぁ。またやってしまった、と後悔・懺悔していると、
見透かしたかのように周りから薦められる。

そうなると天の邪鬼な自分、より一層敬遠してしまい、
挙げ句の果てに、
「蒲生邸事件は良かったけど、他を読む気にまではならないね」
などと言ってしまう始末。

実際には蒲生邸事件も読んではおらず、
NHK-FMのラジオドラマ「青春アドヴェンチャー」で聴いただけ。
(だがあれは本当に良かった。)

・・・・・・・

ここまで書いてみて検証してみたが
宮部みゆき氏のみならず、
ブレイクした作家のほとんどに同じパターンがあてはまる・・・。

・・・単に読んでいない作家への言い訳パターンではないか・・・。



帰りは列車でゆっくり眠ろうと思い、
11時台の特急に乗る事にする。

流石に平日の昼間は空いているだろう。
マナー知らずな乗客に煩わされる確率も低いハズ

だったが・・・それも新大阪まで

レールスターでは隣に訳の分からない2人がやってきて、
通路越しに会話。

・・・・・・・
実は今回初めて「オフィスシート」なる席に座り、
PCの電源も供給されている状況。
持ってきたモバイル機を使用する必要がない。
これでLANなど常備されれば、
自分などは飛行機に乗る事はないだろう。
実際にはもうそんな車両があるのかもしれないが、
このオフィスシートは普通指定席料金。
・・・・・・・

かくして、「公共交通機関では絶対嫌な思いをする神話」は記録継続更新中。
イチローに負けないものが僕にもあった、という感じか・・・。


梁石日氏のペーパーバックは写真もふんだんに盛り込まれていたので
(氏の過去を遡る街の写真、文庫でも迫力あり)1時間程度で読了。

帰りは時間も限られ、仕方なく駅のコンビニの本棚をひと流しすると、
またもや大物がHIT(このコンビニはヒット率が非常に高い)。

エルネスト・チェ・ゲバラモーターサイクル・ダイアリーズ」。

驚愕したことに、なんと映画化されていて、尚かつ公開済みであること
帯より初めて知る・・・。知らなかった事への無念さと、
この間の「なぜか南米文学系に惹かれる傾向」への啓示めいた発見感!

いや、待てよ?

もしかして単なる流行なのか?
確かにゲバラのTシャツもファッションだったりするし。
先達ての「福山雅治のイルポスティーノCF」しかり・・・

もしかして、世は「南米文学ブーム」なのだろうか?
自分はその潮流に知らずに乗っていただけなのだろうか!?



しかし冒頭のアレイダ・ゲバラ・マルチが書いた序章にまた感動。

「どうぞお楽しみ下さい。常に前進を!」

エンターティナーである。
思想はどうあれ、これはゲバラの本だ。
その序文に「どうそお楽しみください」と?

天晴れ。その言葉に従おうではないか。

・・・・・・・

>・)〜〜〜