車に乗り込んで

TSUTAYAへ向かった。
ここなら「半島を出よ(下)」が売り切れてるなんて事はありえない。ところが、日付が変りそうな時間帯だったにもかかわらず、県道の交通量が思ったより多い。対向車線側に位置するTSUTAYAにタイミング良く滑り込めず、一旦前をスルーした。僕はこういう時、後ろの車たちを待たせて右折するのが嫌いだ。少し行ったところで車線が増えてターンしやすいコンピニがあるポイントがあって、TSUTAYAに行く時はそこでターンする事に決めていた。しかし、何故か今夜はそこも込んでいた。週末でもないのに。仕方なく対向車が減るタイミングを見計らいながら流していると、少し行った先のk書店でタイミング良く回れた。これもまた啓示?またもや運命を信じて入店。再度立ち読みにてロッキンオンJAPANやNAVIやスターログ日本語版やロッド&リールや“H”やDTPワールドや流行通信やオートメカニックやジパングの最新刊は何巻だったのか判らなくなったり20世紀少年の最新刊も判らなくなってまた同じ巻を買ってしまいそうで怖くなったりして止めたりして、漫F画太郎先生の作品を探している途中で、あ、こんな事している場合じゃないと我に返った。しかし、書店に入るとオート探索モードに入っている自分の方がもしかしたら「我に返っている」のかもしれない。いつか書店に住み着く少年の小説でも書いて映画化しようと思っている(嘘)


あった。「半島を出よ(下)」が三冊平置きしてあったので、庶民的感覚で一番下の本を手にしてレジへ向かったが、それは「庶民的感覚」じゃなくて「庶民」なんだけど。この夜、僕はまた自分の手にミスチルが唄うようなマシンガンを持っていなかった事に感謝する事となりました。その店員は明らかに人間としての魅力の欠片も無いような容姿で、間違いなく中身もその通りであろうと思われる声と体の動かし方で会計を処理したが、彼としては彼の決めたルールの中で完璧な仕事をしたんだろう。しかし、僕のココロの軍曹はそれを許すはずもなく、既に構えて狙いを定め、トリガーに指をかけて不動の体勢で微動だにしないココロの軍隊に向かって発砲命令を出した。それは仕方ない。だって彼は

「カバーかけますか?」って訊かずに袋に本を入れたんだもん。

これは僕の帝国いや共和国では

「温めますか?」って訊かずにお弁当入れるコンビニ店員

とか

アイスやプリンのスプーンもしくはカップ麺等の箸を入れない
あるいは複数のそれらの買い物に対し、その必要備品の数を訊かない

事よりも重罪なんだ。ココロの軍隊は非常に非情に冷製に冷静に撃ち方止めの命令が出るまで正確無比に発砲を繰り返した。本を手に片手をポッケに突っ込んだ僕がスローモーションで自動ドアを出て行く。僕に一斉に敬礼するココロの軍隊。その背後には血まみれでレジを抱えるように絶命した無能エプロン店員。その眼鏡のアップ、曲がったフレームから血がスローモーションで落下。僕は黒い車に乗り込み(ここだけ事実)、ドアを閉め、イグニッションをスタートした瞬間、書店が火に包まれる。先ほどの銃撃で引火したのだろう。炎の光を背に走り去る僕の車(スティーブン・セガールっぽく)。


嗚呼
やっぱTSUTAYAに行けば良かったんだ。きちんとマニュアル的に対応してくれる大型量販店に行けば。これまでTSUTAYAで嫌な店員に会ったことは1度しかない(あるんか!?)。それは仕方ない。だってあんなデカイTSUTAYAがオープンした日だもの、そりゃ会員の手続きにも嫌気がさすさ。それも管理職の人だったから、余計に忙しかったんだろうから、それを責めるのは粋じゃないぜ♪


本日の提案

書店もガソリンスタンドの如く、無人化、セルフ化してくれませんか?

by thank you